私は入社からこれまでめっき液などの開発を行う部署で、主にアルカリ亜鉛ニッケルめっきで用いられる陽極の開発を行ってきました。
アルカリ亜鉛ニッケルめっきでは、これまで陽極上で添加剤が分解してしまう問題がありましたが、この問題を解決するために添加剤の分解を抑えることができる新たな陽極の実用化に向け取り組んできました。
現在は酸性の亜鉛ニッケルめっき浴の開発を担当しています。目標とする性能を得るため、様々な添加剤の中から適したものを選び出します。組成比や処理条件も最適な値となるよう検討します。
開発を進める中で問題が発生することも少なくありません。どのようにその問題を解決するのか、自分なりのアイデアを考え実際に試してみます。そのアイデアで期待通りの効果が得られ、課題を解決することができたときに達成感があり仕事のやりがいを感じます。そして、自分たちが一つ一つ課題を解決しながら作った製品が実際に生産現場で使用されるという点も開発の醍醐味だと思います。
開発の立場から見ると、分析機器が充実していて開発がしやすいという点があります。また、自分だけでは解決できないような問題が起きた時には、経験豊富な先輩方へ相談すると丁寧に話を聞いてアドバイスしていただけます。大きな会社ではないけれど、部署間でのコミュニケーションがとりやすいという点も魅力だと思います。
まずは一つ一つの製品開発に集中し、多くの現場で使用していただけるような製品を作りたいです。その中で多くのことに興味を持ち、挑戦することで技術者としての視野を広げたいと思っています。そして、いずれは表面処理についての深い知識と経験を持った、多くの人に頼られるスペシャリストになりたいと考えています。
仕事後はまっすぐ家に帰ってゆっくりと過ごすことが多いです。反対に休日は趣味の釣りに行ったり、写真を撮りに遠くまで出かけたりと家の外に出てアクティブに過ごすことが多いです。
開発を進める上で知識や技術ももちろん重要な要素だと思います。しかし、一人でできることには限りがあり、必ず多くの方々と協力しながら進めることになります。そこでそれぞれの方向性がバラバラにならないようコミュニケーションを取ることが大切と考えています。自分の考えを相手に明確に伝え、相手の意図や考えが十分に理解できていないと感じた時にはそのままにせず、明確になるようコミュニケーションを取るようにしています。
入社から担当していた陽極の開発は社内での知見が少なく、未知のことに挑戦しているという感覚でした。試作でも想定外のことが多く発生し、頭を抱えることも多かったです。その中で、課の方々と何度も議論して一つ一つ課題を解決して進めてきました。最終的には実用化のレベルにまで達することができ、次の挑戦に向けた自信につながっていると思います。このような経験ができたのは周りの方々のサポートがあってこその事で、入社してよかったと感じました。
自分の学んでいる分野以外の業界や仕事にもぜひ積極的に目を向けてみてください。私自身も学生時代には広く調べていたつもりでしたが、社会人になって改めて様々な業界や仕事があることに驚きました。可能であれば働いている方から話を聞いたり実際に現地で様子を見るなど、直接情報を得ることでまた違う印象になるかもしれません。
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